層雲峡
北海道の殆ど中心部分に、まさに名実共に「北海道の屋根」として君臨するのが、大雪山国立公園(だうせつざんこくりつこうえん)です。この大雪山連峰は、自分の足で踏み締めて歩いてこそ、雄大さが実感出来るとされています。特に、山頂付近に立った瞬間が素晴らしく、ここで全身で感じる荘厳さ、頬で受ける風の爽快さは、下界に居ては絶対に味わえません。
山頂に到着した時の至高体験は勿論ですが、道中にも歩行の疲労を忘れさせるに足る、素晴らしい景観が溢れています。殊に天然の花畑からは、健気さと可憐さが相俟って感じ取れます。特に旭岳と北鎮岳山頂からの展望、更に旭岳の懐の姿見の池周辺から、黒岳石室近辺にかけての景色、特に天人峡からトムラウシ岳にかけては、その素晴らしい斜面の花畑として、知る人ぞ知る地上に現われた天国でしょう。
この様に、天然の大原始林と高山植物の大群落は、大雪の自然を語るのに不可欠な存在です。まさに大雪山国立公園とは、雄大な容姿の山岳と可憐で美しい花々を併せ持つ、山岳国立公園なのです。
さて層雲峡ですが、これは石狩川の上流に沿って、えぐり取られる様に形成された峡谷です。延々20キロメートルにも及ぶこの長大な峡谷は、山岳の美に幾分違った趣を加えています。何故なら、両岸の岩壁の大部分が柱状で、異様な形状を誇っているからです。
しかもこれ等の絶壁は、各々に「コーモリ岩」「屏風岩」「ローソク岩」等、個性的なネーミングがなされています。初めて聞くと耳を疑う様な名称ばかりですが、一見してどれがどれか分からないかも知れません。そこで専門家のガイドさんに案内を依頼すると、一層楽しみが増すのは請け合いです。この様に、大雪山の原始林を目指す石狩川の渓流沿いに、渓谷が果てしなく続いているのです。