列車で旅情を

現代では北海道旅行と聞くと、東京、名古屋、大阪等に在住の大半の方々は、飛行機による移動を連想されるのではないでしょうか?確かに北海道位の距離ならば、飛行機に乗りさえすれば、週末だけの滞在でとんぼ返りという芸当も、あながち強行軍とは言い切れません。確かに、毎日仕事に追われて僅かな週末しか旅行に充てられない場合は、収入は充分にあるのですからこの方法がベストでしょう。

例えば、名古屋のセントレア中部国際空港から、北海道の新千歳空港、或いは女満別空港へひとっ飛びすると、どうなるでしょうか?この場合は到着した日の内に、オシンコシンの滝や知床五湖の散策を楽しみ、その夜は知床の温泉でゆっくりと蟹(かに)料理を堪能する、こんなプランが充分に可能なのです。

然しながら「落ち着いて旅情に浸りたい」或いは「飛行機はどうも怖くて」と言われる方なら、列車の旅に挑戦されるのがお勧めです。


何故なら、飛行機で一息に北海道へ到着する方法では、東京から北海道、更には名古屋から北海道、という道中を知らないまま、特に東北の魅力に触れる事が出来ません。こうなるとその途中の土地の存在すら頭の中から消えて、一気に北海道という目的地だけを踏む結果になる訳です。そこで折角南北に伸びた日本に住んでいるのですから、この細長い国土を感じながら地上を進むのも、時には乙な物ではないでしょうか?

但し、既にお気付きでしょうが、東北地方も東日本大震災以降に於いては、旅行気分で途中で立ち寄る行為の是非は、間違いなく問われるでしょう。何故ならば被災以降の東北地方は、プロ意識を持つボランティアが直行すべき土地となったからです。

そこで話は被災以前の時点へ戻りますが、JR東京駅から東北新幹線「はやて」号に乗車し、JR八戸駅へ向かう方法があります。ただ新幹線は機密性が高いですから、車窓から流れ込む風の浴びるのは無理でしょう。それでも落ち着いて駅弁でも食べながら、窓の外を走り去る景色を眺めるのなら、これは列車の旅の醍醐味ですから、出発が楽しみになるでしょう。その後JR八戸駅へ到着したら、今度はスーパー「白鳥」に乗り換えると、やがてはJR函館駅に到着します。

この様に本来の旅とは、目的地に向かう道中も旅なのです。到着した日は観光を入れず、ゆったりと宿へ向かうのもお勧めです。例えば、湯の川温泉にでものんびりと温もって、旅の疲労を癒やす方法も在ります。

因みに、函館に着いたら折角ですから、是非とも居酒屋に立ち寄り、飛び切り新鮮な魚の数々をお召し上がり下さい。どんなに魚が嫌いな人でも、「魚ってこんなに美味しい物だったの?」と、歓声を上げて食べるに違いないからです。又、函館では早起きして朝市にも出掛け、信じられない程に新鮮な魚を、出来れば新巻鮭を冷凍の宅急便で、自宅や知人に郵送しては如何でしょうか。