流氷

釧路本線の網走駅を出発すると、オホーツク海沿岸を北上し、知床斜里(しれとこしゃり)へ向けて走行します。そこから今度は方向を変え、東釧路(ひがしくしろ)へと西へ向けて降りて行く、こういう経路を辿るのです。

ここで網走から知床斜里に至る迄の区間の中程に、「北浜(きたはま)駅」が在ります。実は北浜駅は、オホーツク海に最も近い駅ですから、途中下車する人が多いのです。降りて先ず驚くのが、駅面にびっしりと貼られた名刺の数々です。勿論、見ず知らずの方々の名刺ですが、きっと旅の途中だったのでしょうね?「この方達も私と同じ感動で、オホーツクを眺めていたのだ」と、感傷に浸るのではないでしょうか。


さてオホーツクと聞けば、冬の流氷がかなり有名です。実はロシアを流れるアムール河の淡水が、凍結して誕生するのがこの流氷です。その後、流氷はオホーツク海を南下ながら、更なる成長を続けます。最終的には、流氷帯と呼ばれる巨大な塊と化して、北海道のオホーツク海沿岸に着岸する訳です。

ただ釧網本線沿いで流氷の着岸率が高いのは、知床斜里(しれとこしゃり)~止別(やむべつ)間です。

然しながら「流氷の接岸」ほど、人々を感激させたり落胆させたりする現象も珍しいでしょう。まさに北海道に行けば、これ程のドラマティティックな自然現象に、日本に居ながらにして触れられる訳です。ところが接岸のニュースを聞いて駆け付けても、流氷が押し寄せたのは一夜だけで翌朝には跡形もなく消失していた、こんな事例は決して少なくないのです。ある意味で流氷には、滅多に出会えない宿命から、稀少価値が生まれているのかも知れません。

それでも釧網本線沿岸に行けば、流氷と遭遇するチャンスが非常に高いのです。ならば大きな期待を抱いて、出掛けようではありませんか!

因みに、流氷の勢力が巨大になる年は、釧網本線で最もオホーツク海に近い北浜駅には、白一色の氷が一面に広がります。この荘厳な景色が拝めるだけでも、「北海道に来て良かった」と誰もが感激するでしょう!